フェアユングさんのニュースレター、健康便り春の巻、第五話、最終回です。
第五話 「五月病」の謎
「新緑」「薫風」など、挨拶の言葉も爽やかな季節になりましたね。行楽にも最適で、G・Wの大型連休は良い時期にあるものだ、と思います。
ところが、連休が過ぎたあたりから、4月に入学・入社したばかりのフレッシュマンたちを襲うのが「五月病」と言われる症状です。「うつ」気分に見舞われ無気力になってしまう・・・思考抑制、不安感、焦りなどの精神症状だけでなく、不眠や強い疲労感など、肉体的にも苦痛を感じる場合があります。暑くもなく寒くもなく、晴天で風も爽やかなこの季節に、何故このような現象が起こるのでしょうか。
精神や感情、眠り、ストレスなどは自律神経の影響を強く受けるものであると考えられます。自律神経は緊張・興奮に働く「交感神経」と、弛緩・休息に働く「副交感神経」に大別されます。朝は「交感神経」によって目覚め、昼間は緊張してしっかり活動する。晩は「副交感神経」によってリラックスし、ぐっすり眠る・・・これが理想のリズムです。「五月病」とは、自律神経が乱れ、緊張と弛緩の切り替えが上手くいかなくなることによって起こる症状だと言えます。
東洋医学の「五行説」では、「肝」が自律神経を司ると考えます。立春から立夏の間に体内の浄化にかかりきりになっていた「肝」がくたびれ、張りつめていた弦が切れたような状態にあるわけです。食事から油ものを控え、酢の物や大根おろし、柑橘類などを少し摂り、少食にして「肝」を労わることが五月病予防の対策です。
「五味」を活かした自律神経の調整法として、やる気の出ないときには塩のしっかり効いた梅干やぬか漬けを摂り交感神経を引き締めるのも良い対策です。こどもの日に食べる柏餅やちまきなど、甘味は副交感神経をリラックスさせますので、緊張ストレスを和らげるには、一口なら甘味も有効です。
― 笑う門には福来る・・・「副腎」とストレス ―
ストレスを緩めるのが「笑い」です。かつて不治に近い膠原病を、チャップリンやマルクス兄弟などのコメディ映画を山ほど観て楽しく笑う習慣を貫き、完治させたアメリカ人がいます。ジャーナリストのノーマン・カズンズ氏、ご自身の体験をベースに病気と精神の関わりについて取材した『笑いと治癒力』 (岩波書店)は名著です。
腎臓に隣接する副腎は、ストレスを緩和し痛みを鎮める副腎皮質ホルモンを分泌する気管です。春は「気」が上昇し、身体も頭に血が上る興奮・緊張状態になりがちです。「肝」のみならず「副腎」もストレス軽減に忙しく、疲れ果ててしまうのでしょう。「肝」が疲れると怒りっぽくなりますが、これは負の連鎖です。笑うことにお金はかかりません、今すぐ実践しましょう。
― 食で「緊張」を緩める ―
緊張を緩めるのに、甘味は効果的です。しかし過度の砂糖は体内にブドウ糖を溢れさせ、それらを分解する過程でアドレナリンホルモンが大量に分泌されるので、最終的にはかえって自律神経の興奮・緊張を高めることになってしまいます。これを東洋の食養生では「陰極まりて、陽に転ずる」と言います。清涼飲料水をお茶代わりにしている若者たちが「キレやすい」ことからも、砂糖の怖さがうかがい知れます。
カフェインの多いコーヒーや、スパイシーな料理を摂りすぎることも交感神経が優位になり過ぎて「肝」や「副腎」に負担をかける原因になります。
副交感神経は「排泄」を司ります。緊張過多になると便秘によって大腸の汚れから体液の汚れを招き、ますます「肝」の負担を大きくします。
しいたけやえのきなどのきのこ類、もやしやキャベツ、こんにゃくや玉ねぎなど「淡味」で食物繊維の豊富な食物が便通を促し、大腸をきれいにしてくれます。緊張過多の場合は味付けを薄味にし、おかずを食べ過ぎずごはんをきちんと食べることが大切です。お米に押し麦などを少し混ぜて炊くと、より「肝」を助けます。
フェアユングさの春の巻、全五話、いかがでしたか、なーんとなく、わかるようなきがしてきませんか?そう、コーヒーは、苦味で水をうごかして、辛い大根や、玉ねぎ、スパイスはからみで油を出すけれど、でも、何事も摂りすぎては、逆効果。程よい加減がよいようですね。そうして、緩急わきまえる。今も、皆さんの体の中では、春の訪れとともに、大忙しの毎日なんでしょうね。想像してみてください、ほら、花見饅頭食べている場合ではないかもしれないですよ。甘いものはほどほどに、ていうか、十分足りているでしょうから、控えて、花見で一杯もチョコっとにして、良くかんで食べること、食べ過ぎないこと、夜更かししないこと、上手に春を過ごしましょう。
写真は、デージーの前、表道路より写しました。遠目に見える新緑の箕面の山々が美しい。桜の次はつつじです。目にも楽しい、季節が移ってゆきます。ニコニコしてくださいね。
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