もうすぐそこに春が来ていますが、冬と言う、季節を通り過ぎるとき、体の中では、色々な事が起こっているようです。
フェアユングさんがニュースレター健康便りに載せて、お知らせ頂いている春の巻。抜粋してお届けします。
第一話 春風は「風邪」も運んできます
「春一番」は2月の立春から3月の春分の日までの間、その年に初めて吹く南向きの強風です。冬型の冷たい空気に暖かい空気がぶつかり合うことで生じるエネルギーはたいへん強力で、大地のちりやほこりを一掃すると言われます。
東洋医学の五行学説では、春は「風」の季節であると説きます。
「風」には「変化」をもたらすという意味があります。私たちの身体は必ず風土、気候の影響を受けますので、この季節は身体にも変化をもたらします。
一年を通じて変わらないのは体温です。ヒトを含めた哺乳類は、周囲の気温が変化しても体温を一定に保ち、外部環境に対応して常に行動できるシステムを備えています。それを恒常性機能といいます。このシステムを持たないカエルなどの両生類などは、冬眠しながら春の到来を待ちわびるのです。
寒い冬は体温が外に奪われないように皮膚表面の汗腺がしっかり閉じられ、熱=「気」は身体の中心に向かって収縮しています。体内に熱を閉じ込める代わりに汚れ=老廃物が排出し難くなり、溜め込みがちの状態で春を迎えます。
暖かくなり「気」が緩み、外へ向かい始めると同時に汗、ふけ、垢など皮膚からの浄化が活発になります。尿や便からもどんどん冬の汚れを掃き出しますが、掃除がスムーズにできない方がおられます。
まずは冬の間に体温を維持するために燃料を積み込みすぎた場合―つまり食べすぎ、飲みすぎた方です。それと、低体温で代謝機能が弱いため、春になっても体内浄化がスムーズに行われない方です。
そのような状態の身体にも「春一番」が吹く場合があります。それが冬の終わりから春の初めにかけて流行る「風邪」や「インフルエンザ」なのです。
風邪をひいて発熱すると体力を消耗するのでしんどいですが、代謝能力が格段にアップします。発汗や下痢などによって体内の余分なものも黴菌と一緒に出て行きますので、風邪が治った後は不思議に身体がすっきりするものです。
風邪で寝込むと梅干をのせたお粥がとても美味しく感じられます。これは梅の「酸味」が「肝」を刺激し、解毒力を高めてくれるからです。
―「肝」「腎」が身体浄化の「要」―
「肝心かなめ」は「肝腎かなめ」でもあります。肝は「分解・解毒」腎は「ろ過・排泄」をそえぞれ司る、体内浄化部隊の双璧だと言えるでしょう。
寒い冬は運動しても中々汗が出ません。汗は体温を外に逃がしてしまうからです。重ね着をして体温をキープし、おとなしく過ごすのが冬の養生法です。そうなると、身体の水分排泄はほとんど尿が頼りとなります。尿は水分だけでなく、血液をろ過した後の老廃物、リンパを巡った水分からの疲労物質を一緒に体外に捨ててくれます。
「腎」の養生には、冷えを避け、昼間は足腰を動かし夜はぐっすり眠ること。
身体を内側から温める働きを持つ根菜類と、陽性の発酵食品である味噌を食事に採り入れることが大切です。
春になると「気」の巡りが良くなり、冬に溜め込んだ汚れが溶け出した血液が流れることで体調に変調をきたす、と東洋医学では考えます。「血」の汚れを分解するのが「肝」です。「肝」はたくさんの酵素を生産し、分解作業を行います。苺やいよかんなど旬の果物を少し摂り、春キャベツなど生野菜も積極的に食べて良い季節です。菜っ葉のおひたしも良いでしょう。大豆や米ぬかに含まれるサポニンは血管内の脂肪分解に最適です。春の養生は「腎」から「肝」で風邪知らずです。
春の巻 第一話 でした。陰陽五行説と言うと何かむつかしいこと言ってると思ってしまいますが、季節の変わり目は、何かと体調管理に注意が必要です。いつも調子が悪くなる、春が苦手な方は、できる範囲で試してみてはいかがでしょうか。続きは次回へ。
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