春が来るので、体の調子が。。

今回は、第二話。


第二話 花粉症は病気ではない?

 

 春と言えば梅や桜などきれいな花が目を愉しませる季節ですが、花粉症の方にとっては花見どころではないかもしれません。一家のご主人が帰宅したら、スーツのほこりで花粉症の奥さんがくしゃみ連発・・・毎夜どこかで見られる光景でしょう。

 山に囲まれている日本では年中何かしらの花粉が飛んでいますので、日常的に吸い込んでいる日本人の身体は花粉に慣れていました。そのため昔は花粉症というものは存在せず、ごくまれに外来種のブタクサなどにアレルギー反応を起こす方がいるだけでした。杉やひのきの花粉症患者が登場したのは30数年前からで、以後激増し続けて毎年マスクや鼻炎のクスリが飛ぶように売れる現在に至る訳です。この数十年間で、なぜ花粉症はこんなに増えたのでしょうか。

まずはアレルゲンである杉の花粉自体が激増したことです。第二次大戦後に産業復興のため杉の木が大量に植林されました。成長した杉は建築などの資材となりわが国の林業を支えてくれましたが、春に飛ばす花粉の量も数十倍に増えてしまいました。これが副鼻腔や気管支を刺激してアレルギーを発症するというのです(因みに、50年後くらいには大量の杉が老木となり、花粉の飛散量も大幅に減るそうです)。

 ところがスギ花粉飛散量が多いことで知られる栃木県・日光市よりも、花粉の量ははるかに少ない東京都内の方が、圧倒的に花粉症患者が多いのです。地方よりも都会に多いものと言えば・・・クルマの排気ガスなどによる大気中の汚染物質も原因のひとつに挙げられます。特に、今や珍しくなったディーゼル・エンジン車の排気ガスの微粒子が飛んでいる花粉に付着して花粉にキズをつけて中のアレルゲンをこぼれやすくし、より凶暴なアレルギー誘発物質になることが判り問題視されました。環境保全の立場からも好ましくないために、先進諸国では旧式のディーゼル・ガス車が禁止になり、排ガス対策を講じた改良が進んできています。

 日本でも数年前から減税が追い風となり、エコカーがずいぶん普及しましたね。少しずつでも環境は改善されつつあるのだから、花粉症で悩む方は減少してきたのか、というとそうではない・・・ますます増加する花粉症、他にも原因がありそうです。

東洋医学では「症状即治療」という考え方があります。アレルギーなどの症状は不快なものではありますが、身体にとっては必要に迫られての反応ではないか、と捉えるのです。本来は人体に何ら害をもたらさない花粉が体内に吸い込まれたときに、身体の免疫系がわざと大げさに騒ぎ立て炎症を起こす。そうすることで余分なものを体外に排出し、体内を浄化しようとする・・・それが、花粉症というアレルギー症状の本質だと考えるのです。

― 溜まっていたのは「水」だった ―

 それでは、花粉症の場合は身体に何が溜まっているのでしょうか。「症状即治療」の視点から見てみましょう。幾つもの症状の中で、特に体外へ排出しているものは・・・そう、鼻水です。いつまでも止まらぬくらい鼻水が出続ける症状は、体内に余分な水分が溜まり、その水分によって身体が冷えている状態を示すのです。

 寒い時期は身体をあまり動かさず、汗をかく機会もほとんどありません。体内に溜まった水分の排出は、尿をつくる「腎」に頼りきることになります。そのため、冬は「腎」が忙しすぎで疲れるので注意と言われて来ました。

この数十年間で日本人の生活は大幅に変わりました。どこに出かけても飲料水の自動販売機ばかり、真冬でも冷たいビールやジュースをあたりまえのように飲んで過ごします。本来は暖かい飲み物を少し補うことで充分な冬に体内を冷たい水分でしっかり冷やしてしまうことは、自然の摂理に反する行為です。その結果、昔の時代以上に「腎」が冷えとオーバーワークでくたびれてしまい、水分代謝の悪い状態で春を迎えるのです。

暖かい春の陽気が「腎」に元気を与えてくれ、どんどん尿を作って出してしまえばバランスを回復できるのですが、元気を取り戻せず水はけが悪い場合に鼻水をたくさん出すよう身体が指示を出しているのが花粉症だと考えても良いのです。終日鼻をかみ続けた翌日は症状が軽くなるのは余分な水を出せたからです。反対に、抗ヒスタミン剤などのクスリで症状を

抑え続けることは、自然の摂理に反する行為だと言えるでしょう。春限定の鼻炎アレルギーが、クスリを服用し過ぎて通年・慢性鼻炎になってしまう例もあるので気をつけましょう。原因に対する改善策が必要です。

― 症状からみる原因と対策 ―

 東洋医学では、レントゲン撮影も血液の成分検査もできなかった時代に、ちゃんと正しい診断がなされていました。例えば鼻水のように、身体から出る物質の色や粘り、匂いなどを判断材料にしてきたのです。

 花粉症による鼻水の多くは、透明でサラサラな状態です。これは、その人が「寒証」=「冷え」の状態にあると判断されます。特におなか~下半身を暖めることが肝要です。東洋医学の五行説では、黒い食品は腰から下を暖め「腎」を元気にし、溜まった「水」を掃きだす効果があるとされます。小豆や黒豆、黒胡麻などの種類や、昆布やひじきなどの海藻類は「腎」を助けるミネラルに富んだ食品です。

五行説では「鼻」は「肺」の一部であり、「大腸」に繋がると説きますので、便秘のある方はお通じを改善し、腸に溜まった「水」を追い出すことも大切です。便通を良くする食物繊維が豊富で、かつ身体を暖める「陽性」食品である人参、ごぼう、れんこんなどの根菜類を常食すると良いです。しかしこれらは冬が旬の野菜なので、今は春でも食べられますが旬より働きは劣ります。根菜と愛知・三河発祥の八丁味噌を長時間そぼろ状になるまで炒った鉄火味噌はシーズン以外でも「根」の力を味わえる保存食です。

花粉症によっては、黄色くてネバネバの鼻水が出るケースもあります。鼻水が体内で煮詰まってしまった「熱症」=「熱」の状態だと考えます。ただし私たち日本人は世界の平均より体温が低く、一説では80%以上が冷え性と言われる民族ですので、単純に身体を冷やそうとはしない方が良いです。こちらのタイプは食べ過ぎ、飲みすぎにより老廃物がヘドロのように腸に詰まっていることも多く、大便が粘っこくトイレットペーパーをたくさん使用します。粘りの原因は「油汚れ」ですので、油を分解する「酸味」のある梅干や柑橘類、酢の物を適度に摂りましょう。花粉症による「目のかゆみ」は「五行説」では「肝」の反応であると捉えますので、やはり「酸味」が症状改善に有効です。

油を分解しつつ身体を暖める食品は発酵調味料の味噌です。原料の大豆に含まれるサポニンという成分が体内のお掃除役を務めます。


フェアユングさんのニュースレター今回は第二話でした。アレルギーについて、触れていますが、体は、いろいろな理由で、変化をおこしてそ、れをれを見える形で伝えてくれるのだな、と近頃思うのです。体の変化には、何か理由があるのだろう、と、少し耳を傾けてみるのも、体調を調節するための、方法と考えます。表面的な症状の改善だけに注目してしまうと、本当の問題が隠れて見えなくなるので、さらに深い状態にと進んでしまうのかもしれません。

写真は、奈良県からやって来た、農薬・化学肥料不使用のレモンです。

自然食品・健康食品の店 デージー

調味料や食料品のほか、農薬不使用のお野菜・お米、天然酵母パン、アレルギー対応食品なども取り扱っております。

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