フェアユングさんの、ニュースレターから
秋の養生、第2話です。
「女心と秋の空」ということわざがあります。どちらもころころ変わりやすい・・・と、女性陣に叱られそうですが、秋は、天気や昼夜の気温差の変化が激しい季節であります。
私たちの身体も夏から秋へ向けて「衣替え」をします。ヒトを含めた哺乳類は周囲の気温が変化しても、常に体温を一定に保とうとします。暑いときは汗腺を開き、熱がこもれば汗をかかせて体温を下げようと構えています。「気」が外へ向き、風通しの良い夏仕様の身体になっています。
秋になり涼しくなると、汗腺を閉じ体温を逃がさぬよう「気」を逃がさぬよう「気」を内側へ向け保温性の高い秋仕様に身体をモデルチェンジさせます。こうして、ヒトの場合は、いつでも理想体温である36.5をキープてきるよう調節しているのです。初秋は天候が変わりやすく、日によって、あるいは、1日の間で気温の変化が激しいので、体温調節に苦労させられます。自律神経の乱れやすい季節であると言えるでしょう。
夏に冷房の効きすぎた部屋にいると体調が悪くなります。25℃以下ですとかなり寒く感じます。
一方、冬に暖房の効きすぎた部屋にいてもしんどくなります。25℃もあれば暑くてたまりません。同じ温度でこんなに体感が違うとは、不思議な気持ちになりますね。私たちの感覚は温度や環境によって変わるのだと言うことがよくわかります。
自律神経の乱れから体が温度を錯覚する例をあげてみましょう。
冬山で遭難して力尽きて亡くなった方が上半身裸で発見されることがしばしばあります。まさに自殺行為、どうしてこのような行動をとるのでしょうか。
これは、体温が急激に低下したために、外の温度が上昇したと身体が錯覚するために起こる現象です。実際には生命の危険レベルまで冷えているのに熱く感じて衣服を脱ぎ捨ててしまうそうです。
停車している列車のな窓から眺めていた向かい側の列車が発進した瞬間、自分の車両が動き出したと勘違いされたことはありませんか?私たちの感覚は意外にもろいものなのです。「ほてり」も実は同様の現象です。
「顔がかっかして赤みが取れない」「昼間てに汗をかいたり、夜中に寝汗てびしょびしょになり目が覚める」「身体が熱くて布団から手足を出さないと眠れない」・・・「ほてり」の代表的な症例てす。いわゆる不定愁訴であり耐えられないほどの苦痛ではないが、なんとなく気分が悪い。原因が定かでないので治療薬が見つからず、むしろ症状が進行してきた・・・このような経過をたどるケースが多いように思われます。改善しないのも無理はありません。「ほてり」は身体内部の「冷え」によってもたらされる症状なのです。
実際に熱さを感じている方ば納得しがたいかも知れませんが、原理は冬山の遭難者と同じなのです。冷たい氷水に指をしばらく浸してから引き上げますとじんじん赤く熱くなります。冷えていますと身体が危険信号を感知し、指の皮膚周辺に血液を集めることで熱を感じますが、内部はそれでは追い付かないほど冷えているのです。
秋は、「ほてり」症状の起こりやすい時期です。夏の間に冷たい飲料などでからだの中心である「脾」=おなかが冷やされ続けた蓄積疲労に加え、気温が下がってきて内部の「冷え」が進行したときに、「ほてり」が生じます。東洋医学ては、「脾」が体温調節に関わる「気」の流れを統括すると考えますので、「ほてり」はおなかを暖めることで改善すると説きます。
まずは冷えて能力が低下している「脾」「胃」を癒しましょう。淡白な味わいのはと麦入りご飯に、味噌汁の具はさやいんげんなどがおすすめです。おなかを冷した原因である「湿」=水分を外へ出すために、山椒や紫蘇のは、生姜などの薬味を少しあしらうのも効果的です。ただしこれらのスパイスは摂りすぎると過ぎたるは及ばざるが如し、かえって表面をかっかさせてしまいますのでアクセント程度にしましょう。
副菜はカボチャ、とうもろこし、さつまいもなど自然な甘さの野菜が「脾」を癒します。
そうだったんですね。以前はよく、のぼせたり顔が赤くほてり、なかなか引かなかったりと、この、夏の冷えを引きずっていた記憶が有りますね。
食事でおなかを整えて、冷えの原因の水を出してしまって、あとは、おなかを暖めればいいのね。脾と、胃、ですね。やってみましょう。
写真、最初の二枚は、新米のご飯を炊いてみましたのでよかったらお試し頂けますよ。
3枚目は、「なぜか大きな山が現れる」です。以上、フェアユングさんの、ニュースレターから、秋の養生.第2話でした。
続きはまた。
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